やはり、施設の前でもマスコミはいた。 「先程、弘君の父親と名乗る男性が訪ねられましたが、弘君はお父さんと住まれるんですか?」 「父親の名前はなんですか?昔の親子関係は?」 相変わらずな質問だったが、これも無視し、施設に入った。 導かれたのは、俺がヒロについて話を聞いた部屋と同じだった。 そこには1人の男性が、行儀よく座っていた。 ヒロはその背中を見つめた。 「……パパ?」