出来ちゃった恋愛

諦めたタバコをバッグに入れ、何気なく携帯を開いた。



メールが一件…。



『お金のことは気にしなくていいから。サインだけしてくれたらあたしがなんとかする』



ヒヤッとした。



ユズからのメールは愛の前では心臓に悪い…。



『そういうわけにいかねぇだろ』



返事を入れて、また返って来たメール。



『サキの子供じゃないかも。だから同意だけしてくれたらお金はいい』



は!?



なんだよソレ…。



俺のだって言っただろ…。



悩んで損した気分。



まぁそんなに悩んじゃいないけど。



「誰とメール?」

「ん~、京(キョウ)からくだらないメール」

「ふ~ん…」

「なに?」

「あたしにも構って?」



ほら、カワイイ…。



申し分のない彼女。



そのままユズに返事はしなかった。



それよりも目の前の彼女との甘い時間が優先だったから。



ユズが苦しんでるなんて、考えもしなかった。