出来ちゃった恋愛

ポケットから出したタバコに火をつけながら愛の家に向かった。



タバコも残り10本…。



金がねぇ…。



タバコなんか吸ってる場合じゃねぇよな…。



「サキ君っ!!会いたかったよ~」



玄関から出て来た愛が俺に抱き着いた。



カワイイなぁ…。



ユズとは違い『女のコ』って感じの愛。



顔もそりゃあ極上にカワイイ。



「親いんの?」

「うん、泊まってもいいって!!早く入って!!」



愛の家は暖かい。



優しい母ちゃんと、男らしい親父がいて、歳の離れた弟もいる。



俺が生きてきた環境とは違うことは確か。



「お邪魔しま~す」

「いらっしゃい、咲都君。ご飯は食べた?」

「食ってないです」

「今からだから一緒に食べましょ」

「やった~。おばさんのメシ激ウマだから」



今晩の宿は確保した。



風呂にも入り、着替えて愛の部屋に敷かれた布団の上。



タバコ吸いてぇな…。



「空き缶ある?」

「タバコ?あんまり好きじゃないな…」



やめとくか…。