出来ちゃった恋愛

本当にあたしを守ってくれるんだ…。



サキに…着いて行こう。



「しばらくしたらまた来ます。ちなみに今は3ヵ月です。生まれるなら2月ですから。絶対、俺はユズと子どもを守ります」

「待ちなさいっ!!」



なにも持たず、玄関に走った。



連れ戻されたら…赤ちゃんがいなくなってしまいそうな気がしたから…。



「ユズっ!!」



玄関を出る前に聞こえたママの声に振り返りもしなかった。



後ろは闇、前は光り。



あたしはこの子を産みたいの!!



外に出てから少し早歩き。



「走っちまったけど…大丈夫か…?」

「ん…ごめんね…」

「ユズが謝ることじゃないから。ちょっと休もうか…」



サキの家に向かう途中の公園に寄った。



ベンチに座るあたしに買ったばかりの1本の水を手渡すサキ。



もちろん未開封…。



「明日にでも学校やめるわ」

「えっ!?そんな…サキのママは…」

「大丈夫、うちのおかんには全部話してあるし。それに学校のことも謝った」



こんなに一生懸命なサキ、見たことない…。