出来ちゃった恋愛

付き合ってるわけでも、あたしを好きなわけでもないサキがこんな必死に頭を下げてくれてる。



あたしを守ると言ったサキ…。



あたしは…できることをするんだ。



「パパとママが反対する気持ちもわかる。でもあたしは産むって決めたから」

「お前は今まで育ててくれた親を捨てるって言うのか!!」



その言葉に和解の要素は含まれてない。



親を取るか、サキを取るか…?



「認めてくれる気はないんですか…。俺達がしようとしてることはそんなに悪いことなんですか?」

「いい加減に黙ってもらえるか?帰ってくれと言っているんだ」

「わかりました。今日は帰ります。ユズも連れて行きますけどいいですよね?」

「なにをバカな…」

「こんなとこに置いといたらユズはどうなるかわからない!!ユズ、俺ん家行こう」



あたしとサキができる精一杯の反抗だった。



サキの家以外行く場所なんかない。



ギュッと握られた腕はそのままあたしを引き寄せた。