今まで見てきたサキとは違ってたから…。



本当に好きだったんだろうな…。



「サキ…なんか、ごめん…」

「なにが?」

「あたしが愛ちゃんと引き離すようなことすんだよね…」

「ユズ、そこは気にすんな。愛のことは俺の問題だから。ユズは自分の体のことだけ考えとけよ」



うわっ…。



サキのくせにちょっと頼もしいとか思っちゃった…。



友達としては見たことない顔するんだもん…。



「なぁ、触っていい?」

「はぁ!?なに考えてんの!?最低だねサキ」

「ちげぇよ!!腹…とか…どの辺なのかなって…」



あっ、そっちの意味か…。



この状況でセクハラ発言ぶちかましたのかと思ったじゃん…。



触りたい…の?



「なにも感じないけど」

「それでもいい」

「たぶん子宮だからこの辺…かな?」

「ここに…ぺったんこだ…」

「だね…」



こうしてても、自分の中にもうひとつの命があるなんて実感が湧かない。



妊娠してる実感はあっても、赤ちゃんがいるって、なんか不思議で…。