増えた新入りはみんな年上。



でも俺は下っ端をやっと卒業した。



「お前店の車で来た?」

「はい、まだ中に箱入ってますよ」

「俺抜けるから後頼むな」

「はぁい、キーレジにあります」

「おぅ」



湯野さんがいちばん大変そうだけど楽しんでるって本人も言ってたから。



現在ふたりしかいない開店前の店舗でひとり刻々と作業。



早くオープンしねぇかと待ち遠しく思ってる。



作業が終わったら結構いい時間になってた。



ヤバ、帰んなきゃ。



悠都の風呂が待ってる。



急いで帰ったユズの実家。



メシも準備されてるし、産まれたての我が子が迎えてくれる。



「ただいま」

「今までバタバタしてたのに寝ちゃった」

「ご機嫌?」

「今日はね」

「じゃあ先にメシ食うかな」

「今準備する」



悠都が起きる前に急いで食ったメシはどこに入ってるかわかんないくらい。



それでも幸せで満たされる…。