出来ちゃった恋愛

おかんも俺を生んだ時は若かった。



20歳で俺を産み、25で離婚。



それからはひとりで俺を育ててくれた。



夜に熱を出して、看病してもらった記憶もある。



仕事を休む電話は毎回俺から離れてしてたけど、スゲー謝ってたことを知ってる。



参観日には毎回来て、俺がケガさせた相手の家に行って謝って…。



俺はおかんに生かされて来たんだ…。



「バカ息子で…ごめん…」

「あたしの遺伝子だから仕方ないでしょ。あたしもバカだしね~」

「もし、もしだけど…。産むって言ったら…どうする?」

「どうもしない。おめでとうって言って、今まで通り、見守るだけ」



産んでもいいって思ってるのか…。



サッパリしてんのか、なんなのか…。



産むって選択肢か…。



学校は通えねぇだろうな…。



「ユズちゃんって礼儀正しいコよね?」

「あぁ~、まぁ…」

「あのコか…」

「あのコです…」

「産むなら結婚しなさいね」

「わかってる」



ユズにだけ苦労をかけさせたくはない。