ペラペラめくると9ヵ月とか、臨月までの成長が載ってて、本当にあのユズがこんなふうになるのかと思うと不思議でならない。



元から痩せてるユズの体がプニプニになるなんて…。



やっぱり想像できない。



「サキ、なに読んでんの…。キャラじゃなくて引くんだけど…」

「勉強してたの!!って、どうだった?」

「1キロ太ってた」

「違うバカ。チビ太だ」

「はい、エコー。順調だってよ」



『変な名前つけないでよ。女かもしれないじゃん…』



ブツブツ文句を言うユズから受け取ったエコーは、前より格段に大きくなってるチビ太だった。



愛着っつーのも変な話しだけど、なんつーか…カワイイ…。



「ニヤニヤしないで」

「へへっ…」



やっぱり嬉しいんだ、俺。



ユズも心なしか嬉しそうで、ポカポカした気持ちのまま会計を済ませて今日から暮らすマンションへ行った。



カギをお互いに持ち、標札は『夏川』で。



ここが俺とユズの家…。