そして琢磨はふと何かを思い出したように立ち上がって部屋から出て行った。
少しだけ不安があたしを襲う。
だけど、1分と経たないうちに琢磨は戻ってきた。
「どこいってたの?」
あたしが不安気に尋ねると、琢磨は言った。
「これを取りに行ってたんです。」
琢磨があたしに見せたのは、あたしが返した指輪だった。
それを琢磨はあたしの薬指にはめた。
「やっぱり指輪はあるべきところに戻るべきですね。もう絶対に、二度と外させませんよ?僕には優衣以外はあり得ませんからね。」
嬉しくてまた涙が出た。
「あたしだって、もう絶対に外してなんかあげないよ。」
そう言ったあたしに琢磨は、覚悟してます、と笑って言ってくれた。
もう絶対に外さない。
また戻ってきた指輪を見ながら、あたしは胸に誓った。
「優衣。」
「なに?…ん」
名前を呼ばれて顔を上げるとあたしの唇に琢磨のそれが重ねられた。
あたしは甘えるように琢磨の首に腕を回した。

