せっかく脱出に成功したのに、また戻ってきてしまった。

「熱測ってみてください。」

体温計を手渡され、渋々それを脇に挟む。
熱を測っている間なんて1分もないくらいなのに、あたしにはかなり長く感じられた。

ピピっという音を合図に体温計を抜く。
画面を見ると38度5分。
体も怠いはずだよね。

なんか熱があるときって、熱があるって分かっちゃうと、余計に具合が悪くなる気がする。

体温計を琢磨に返した。
受け取ると、立ち上がり言った。

「今飲み物持ってきますから、横になっていてください。さっきみたいなことはしようなんて思わないで下さいね。本当に…さっきは、寿命が縮むかと思いましたよ。」

なんで、どうしてそんな今更期待させるようなこと言うの?
なんとも思ってないくせに。