「人間の心は、脆いね」 その言葉が、眠りに落ちた少女に届くことはなかった。 「絶望の淵に落とし、悲しませて…。 けれど僅かな弱さを見せれば、同情してくれる」 その柔らかい、彼女の唇を ペロリ、と彼は舐める。 「もっともっと、僕の与える愛に 溺れておくれ」 抜け出すことは 決して許されない。 あがくことも出来ないほど その甘い波に、酔いしれさせてあげる。