血が、欲しい。 「ねぇ、フラン」 喉が渇いて、渇いて―― 「君が死んだら困るんだよ」 もういっそ 意識を失ってしまいたい。 そうすれば、痛みも、この喉の渇きも、感じないのに。 「僕は、」 フランを抱きしめては、彼女の肩に顔を埋め、 「君が居ないと、生きていけない」 とても弱弱しい声で セシルはそう呟いた。 そんな彼に、少女は思考がついていかない。