「君はもう、吸血鬼なんだよ」


血は流れ出るばかりで、

目の前に居る主からは 血を貰っていない。


「血の匂いを嗅げば 喉が渇いてくる」


「そして君は今 貧血状態」



すぐにでも 血が飲みたい。
甘い 甘い セシル様の血を、 はやく。


けれど―――・・・


「誰のことを一番愛しているのかさえ言えば、楽になるんだよ」



例え自分が憎き吸血鬼になってしまっても、


『私が愛するのは、家族、だけ――!』


大好きだった家族の事は 譲れない。



「・・・・・君のご主人様は、この僕」


そしてまた 彼はナイフで胸元を傷付ける。