「いってきます」 靴を履いて、玄関を出た。 少し薄暗い天気の今日は、肌寒くマフラーをしてくればよかったと後悔した。 だが、取りに行ってる暇はない。 いつもより、遅目に家を出てしまった。 「はぁーっ」 一つ、大きなため息を吐いて重たい体で駅まで急いだ。