銀杏ララバイ


それではあまりにも母さんが可愛そうだ。

私は許したくない。

たとえ母さんが許しても私は… 

そんな想いが頭の中で走馬灯のように駆け回っていた。

そしていつの間にか眠気を感じ… 

気がつくと窓の外に鳶が、

あの鳶の銀杏丸がかおるを見ていた。



「何なの。あの子はいないわよ。
見ていたでしょ、お風呂。」



かおるは相手が鳶だと分かっていても、
何故か話している。

そして無意識だが、
窓を開けて話し易い体制を作っている。

第三者的に見れば滑稽この上ないだろうが、

かおるはその鳶の存在は… 
何故か温かいものを感じていた。


そして聞こえて来たものは… 

まさしくかおるが理解できる日本の言葉だった。

鳶が言葉を話したのだ。

そしてその内容は… 



「かおる、私は源実鳶、
君たちが優しくしてくれたギナマの父だ。

銀杏丸と言う名は我が家の男児の幼名、

決してギナマだけのものではない。

しかし、今度君たちが鶴岡八幡宮へ行っても、

我らの痕跡は何も無い。

あの時ギナマが全てぶっ壊した。

本来なら私がするべき事だったが、
幼いあの子を殺せなかった。

それで結局あの子に寂しい生活をさせてしまった。

しかしあの子は君たちに会う事で目覚めた。

そして全てが消えた。

それでもあの子は君たちへの憧憬が強く、

チャクラを使い果たして見る影も無くなったと言うのに… 

ああ、寂しくて泣き暮れていた。

それで私は自分の全てのチャクラを駆使して、

あの子を君たちの父親に結びつけた。
それが鳶人だ。」



その鳶は、かおるに奇想天外の話を聞かせている。