そんな事も含め鳶人の全てが、
不思議なようだが、
ギナマと重なっているような気になっている孝史だった。
16歳だったギナマを
4歳の鳶人と重ねるなんて、
尋常な考えではないかも知れないが、
孝史の中ではそうだった。
たった一回風呂に行っただけで、
孝史はそれ程に鳶人を愛おしく感じていた。
一人残された形のかおるは、
孝史のように素直になれない自分が腹立たしかった。
そう、自分に腹を立てていた。
かおるも鳶人を見て心が動いていた。
あの孝史の言葉、
母さんに許してもらおう、だなんて…
孝史があんな大人びた考えを口にするなんて、
想定外ではないか。
孝史はあの鳶人をギナマと重ね合わせているのだ。
孝史はギナマと仲が良かった。
まるで兄弟、いや、
それ以上の絆を感じていたようだった。
だけど今は何故かあのギナマとの記憶が薄れている。
そんな時に、
同じような雰囲気を持っている鳶人に会い、
正式な弟として暮らせる事に喜びさえ感じているようだ。
私だって本当の弟なら異存はない。
だけどあの子は…
あのまま離婚などしなくて、
父さんが側にいれば母さんは死ぬ事も無かった。
手遅れと言われたが…
父さんが側にいれば手遅れなどにはならなかったはずだ。
離婚だって父さんのせいなのに、
そんな父さんをどうして捜す事にしたのだろう。
考えてみれば、
言い出したのはギナマだった。
それでも、自分はともかく、
施設に戻らなければならない小学生の孝史のことを考えれば、
その事はそれなりに嬉しかった。
しかし、探し出してみれば子供までいた。

