銀杏ララバイ


「多分… 実朝の言葉ではないけど、
それも私の代で、
この家系も絶えると思う。

ただ、おばあさまが健在のうちは、
希望を叶えてあげたい。」



話しながらギナマの声は次第に小さくなり、
無理に浮かべたような笑みは泣いているように見えた。



「と言う事は… 」



「うん。源上と言うのは世をはばかる名で、
私の名前は源銀杏丸。

何故か分からないけど、
一族の中に特別なチャクラを持って生まれてくる子供がいる。

だからこそ、その後の時代を生き延びれたと思う。

私の父もそうだった。
だけど父はそれを嫌って長い間、家を出ていた。

しかし16年前に生まれたばかりの赤子を連れて戻って来た。
それが私。

それでおばあさまが私を育ててくれた。
父は私が3歳の時に亡くなった。」


「それでこの刀が肩身なのか。」



自分の夢の中で、
刀を抱えて泣いていたギナマ。

その光景が忘れられない孝史が声を出している。


それは自分たちには想像も出来ない世界の話のようだが、

こうして話しているギナマは
まさしく心の通い合った友達、分身だ。

孝史も全てを知っておきたかった。



「形見と言うより父そのものに思える。
父はこの刀で自害した。

何があったかは分からないが、
父は幼い私を抱えるような格好で
刀を腹に突き刺して死んでいたらしい。

家の者が見つけた時、
私が血の海の中で刀を抱えて泣いていた、
と誰かが話していた。

きっと父は私も殺して死のうとしたのだ、と。」



さすがにそれを話すギナマは、
悲しさを通り越した
恐怖を感じているような顔だ。


たったの3歳で… 
記憶が無くても後で人から聞くなんて、
余計にかわいそうな気がしてきた2人。

声も無くギナマを見つめている。