銀杏ララバイ


「警察… どうして警察が来るの。」



そんな言葉を出すギナマ。

黙って聞いていたかおるは信じられなかった。

アレだけ話したのに… 
体調を崩して忘れてしまったと言うのだろうか。



「忘れたの。夜中にも不審者が来ているから
警察に調べて貰ったほうがいいって、話したでしょ。

それに今だって… 」



孝史はギナマの態度に苛立ちを覚えたように、
声のトーンが高くなってきた。

しかし実際の孝史は、
自分がこんなに心配していると言うのに… 

腹立ちより、寂しさを感じている。



「ああ、そうか。
確かに侵入者が来るが… 

だからあいつは警護しているんだよ。
ごめん、話さなかった。」



そんな孝史の気持ちを見抜いたかのように、
ギナマは2人が納得出来る話をした。



「あいつって… 誰なの。」



まずかおるが反応した。

ギナマのその口調では、

あの鎧武者を知っていたと言う風に受け取れた。



「えっ、まさかあの鎧武者の事か。」



孝史も大発見をしたような声を出してギナマを見た。



「うん。あいつはああ言う装束が好きなんだ。」



ギナマは他愛も無い事だと強調して、
何でもないんだよ、と言う顔をして
2人を代わる代わる見ている。

まるでその様子は、
2人の反応を確かめているようにも見える。



「警護をしている人がいるのだったら、
ここに一人で住んでいるなんて、
どうしてそんな嘘を言ったの。

さっきのお医者さんたちも
どこからか急に現われたみたいでおかしかったわ。

この家って秘密の出入り口もあり、
不思議な事がいっぱいね。」



かおるもはっきりした口調でギナマに問い掛けている。

こうして会話が始まった以上、

不可解な点を全て聞かなくては、と思っていた。