腕を引っ張ると和泉は驚いた顔を俺に向けた。 「あ、絢…斗く……」 今の俺の顔に柔らかい表情はない。 「?…君……誰?」 横にいる男に聞かれた。 誰? はっ…お前が誰だよ。 「俺ですか…? …和泉の、【一応】彼氏です。」 俺は 一応 を強調させて言ってみた。 和泉はずっとこっちを見てたけど、その言葉を言うと顔を伏せた。 横顔を見る限り、和泉は焦ってる。 「え……いずちゃんの……彼氏?」 男は俺と和泉の顔を交互に見始めた。