陽希は陽希で一人黙々と食べている。




「陽希ったら美味しいも言ってくれないのよ~ッ」


ベシッとお母さんが陽希の頭を叩く。



「いってぇッ!!

何すんだよ」



ムスッとした顔でお母さんを見る。




口元になんかタレついてるけど。




「陽希」



私は後ろにある棚の上からティッシュを取って口元にあて、拭いてあげた。





「ね、姉ちゃ……っ」



顔を真っ赤にして慌てる陽希。




「口にハンバーグのタレついてたよ」




恥ずかしいのか…



陽希も大きくなったなぁ…。





「和泉。」




左側から絢斗君の声。




「どうし「喉渇いたっ」




あれ…


なんか不機嫌…?





「わ、わかったっ」



お母さんの元に向かう私。





「お母さん飲み物なーい?」




私がそう言うと、お母さんは冷蔵庫を開きビンに入る濃い紫色の飲み物を取り出した。




「ぶどうジュース」



こんなのあったんだっ!




「それお隣からもらったやつなのよー」




へぇと私は頷き絢斗君に向かった。