『どうかなぁ?』


黙々と食べている竜也に聞いてみた。


竜「意外と美味い。」


相変わらずクールだけど、“美味しい”って言われると嬉しいなぁ〜。

何故か竜也が言うと特別に感じて、顔がニヤける。


「顔キモイ。」


と思ったらすぐ減らず口。全く、これが無ければ完璧なんだけどなぁー。


ご飯を食べ終わった頃、丁度アップルパイが焼き上がり、みんなの分を切り分けたら、早速みんな食べ始めた。

ボソッ
竜「うまい…。」


竜也が小さな声でポツリと呟いた。


母「瑠羽ちゃんの作るアップルパイは本当に美味しいわよね〜♪」


竜「何でだ…?」


『何が?』


竜也はフォークを置き、眉間に皺を寄せた。


竜「昔母さんに作ってもらった味と似てる…。」


竜也が昔食べたアップルパイと味が似ているの?


母「それはきっと愛情が篭ってるからね。」


ママは優しい笑顔で竜也に言った。


『私はいつも食べてもらう人の事を考えながら作るよ♪』


竜「そうか…。」


そう言って優しく微笑み、完食した。