「藤岡君・・・あの、これ・・・」 彼女から差し出されたそれを俺は反射的に受け取った。 「・・・あの、」 彼女は言葉を続けようとしたが、俺の隣に人が居るのを見て口を噤んだ。 「・・・じゃあ、私はこれで・・・」 そう言うと彼女は足早に去っていった。