トイレから帰ると由香がこっちに気がついた様子で、口パクで「大丈夫?」と言っている。


頷くと急いで由香の元に向かい、席についた。



「ずいぶん長かったね。そんなにお腹痛かった?」


長かったのは隼人と話していたからで、トイレには入っていないことを伝えようか迷った。


隼人には内緒と言われたからだ。


でも、由香になら言ってもいいのではないか、とも思う。


由香は口が堅いし、信頼出来る友達だからだ。


それに一人で抱えるには大きすぎる秘密だからなおさら。



意を決して告白することにした。

「あのね、由香…」



「何?」


由香は微笑んだ。