今さら、「え、ちょっと無理ぃ~。」 
 
とも言いづらくて 
 
何というわけでもなく 
 
連行された被告人のように… 
 
―まぁ、ちょっと表現は悪いがそれは気にしないこととして、 
 
…とにかく、彼女におとなしくついて行った。 
 
 
どうやら外に出るわけじゃないらしく 
 
むしろ、どんどん上の階に行くようで、 
 
何度となく亀裂の入ったボロイ階段を上がった。

途中でミシミシと嫌な音がして、かなりビビったが
 
もう日常茶飯事なのか それとも無頓着なのか 
 
彼女は気にも留めなかった。