「さて、桜華のみなさん?」
不意に、向こうの黒髪眼鏡の男が口を開いた。
さっきまでは、全く喋っていなかった人だ。
「遠いところ、わざわざ来てもらって悪かったね。
そっちの人も…ね?」
そんなことを言い出す。
そっちの人、というのはたぶん弘夜の事だろう。
「…もういいですよ。ここにこれ以上いるのも、もう面倒ですし。」
やっと、嘉が口を開く。
今まで一回も話していなかったと思う…
嘉の言葉に、私たちも確かに…という気持ちを隠さない。
確かに、面倒。
「こら、ユウキ。なんか言えよ?」
灰色の男が金髪を催促する。
金髪のほうが総長なんだろう。
でも、灰色の男が年上っぽい。
逆らえない感じだろう。



