そんなとき。



「うわっ…ドアがない…」


そう、驚いた声を上げ人が来た。



白いスーツを着た男…


いや、あれは多分男じゃないわね。


チラッと見ただけで分かる。


細い体
小さい顔
白い肌
くりっとした目
髪はカツラぽい…



女だな、あれは。

男っぽい格好をした女。



私は確信した。




「どうなってんだ?コレ……」



その人が言う。



「こっち来い、」



金髪にそう言われると、スッと動いてそちらに歩いていった。




私たちの横を通るときにフッと目が合う。




――…どこかで見たことがある?

いや…気のせいかもしれない…




私はそんなことを思っていた。