華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




「鳳狼の倉庫はどこだったっけ?」


カタカタとキーボードを打ちながら嘉が言う。

そこへ行くつもりなんだろう。



「今日は学校らしくて…

鳳狼のメンバーが通う、元男子校の…」



そう言われると、


「あ〜一回通ったことあるよね。

なんとなく分かるかも…」



そう言いながらパソコンから目を離さない。



「話は分かったから、下がっていいよ。

連絡係の人には行くって伝えて。」



嘉がそう言うと「失礼します」と言って部屋から出ていった。




「蓮、そんなに怒んなよ…」


ふと、楓が言ったのを聞いて蓮士を見た。



蓮士は眉を寄せ、左手に持った黒いケータイを意味もなくパタパタさせている。


見た感じはいつもと変わりないけれど、目は鋭いし落ち着きがない。