華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




次の日。



今日も私は城にいた。



昨日話をした何人かは今日はいないらしく、私は楓の隣で雑誌を見ている。


ユズキはここにいなくて下で遊んでいるようだけど、幹部全員は私と同じくいつもの部屋にいる。




コンコンッ



私が雑誌に飽きてテーブルに置いたとき。

部屋のドアが叩かれた。



「どうかしたの〜?」


眠たそうにカクカクと頭を落としていた楓がドアに近づき、開ける。


この部屋の中から答えても外には聞こえないらしい。




「あのっ…鳳狼から…連絡係が来てますっ…」



コウロウ?

なんだろう、それは……



そう思ったのは私だけで、全員の目が変わったのを見た。




「なんで鳳狼が来てんだよ?」


眉間にシワを寄せ、目つきを鋭くした李玖が聞いた。


部屋に来た人は「分かりません…」と心苦しそうで。



「でも…どういうことだって鳳狼の幹部は言ってるそうです…

弘夜たちが向こうにいるらしくて…」


「弘夜……?」



私は、ポツンと呟く。

弘夜がどうかしたのだろうか…