華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




「そういえば、なんで侑希さんがこっちに下りてきてるんスか?」

「蓮士が来そうになくて…みんなでお昼食べる準備してたからね。

私だけ何もしてなかったから二人を呼びに来たの。」



私の言葉に「そうなんスか〜」と答え、「総長は動かなかったんスよね」なんて笑ってた。


みんなには、蓮士のぐうたら加減が分かってる…

蓮士は全員を信頼してどんな姿をも見せているんだろう。

本当の意味で、ここに染まっているんだわ…




「ていうか侑希さんって総長のことを名前で呼ぶんスね!」


一人がそう言うと周りからも「そうっスね〜!スゲー」なんて聞こえだした。



「どうして?普通、名前じゃないの?」


「総長はみなさんからレンって呼ばれてるっスからね〜」

「レンジって呼ぶ人はほとんどいないんスよ。」



へぇ……

そういえばそうかもしれない。

あまり違和感はないけれど。




「レンジって呼んでたのは初代の幹部たちだけだったって有名なんスよ!」



そうなの……



でもどうして、呼ばないんだろう。

蓮士は蓮士なのに。



それを尋ねてみれば。




「詳しいことは分からないんスよ…」


と言ってた。