「そうだ…名前、なんて言うの?」
私はオレンジ頭の親切な男の子に尋ねる。
「俺っスか!?弘夜-ヒロヤ-って言いますっス…」
私は弘夜によろしく、と挨拶し少しの間話した。
その間に結都がユズキを連れて上に行く。
「弘夜〜何してんだよ…って侑希さん!?」
「ふふ…こんにちは。」
弘夜の後ろから現れた赤髪の男の子。
私がいることにひどく驚いたらしい。
「弘夜…なんで…?」
その人はわたわたと慌てていて。
なんだか可笑しかった。
「ねぇ、名前は?私のことは……―って、知ってるのよね。」
「おっ俺!大志-タイシ-です!
うわ〜俺、侑希さんと話してる…」
目がキラキラしてて、大志は忠犬みたい…とひそかに思った。
それからワラワラと人が集まってきて、私たちは長く話した。
「侑希さんと話せるなんて思ってなかった」
そんな言葉があちらこちらから飛んでくる。
「話しかけにくかったのかしら?」
私は“私”を溶け込ませて笑う。



