華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




「そうだ…名前、なんて言うの?」


私はオレンジ頭の親切な男の子に尋ねる。



「俺っスか!?弘夜-ヒロヤ-って言いますっス…」


私は弘夜によろしく、と挨拶し少しの間話した。


その間に結都がユズキを連れて上に行く。




「弘夜〜何してんだよ…って侑希さん!?」

「ふふ…こんにちは。」



弘夜の後ろから現れた赤髪の男の子。

私がいることにひどく驚いたらしい。



「弘夜…なんで…?」


その人はわたわたと慌てていて。

なんだか可笑しかった。



「ねぇ、名前は?私のことは……―って、知ってるのよね。」

「おっ俺!大志-タイシ-です!

うわ〜俺、侑希さんと話してる…」



目がキラキラしてて、大志は忠犬みたい…とひそかに思った。



それからワラワラと人が集まってきて、私たちは長く話した。


「侑希さんと話せるなんて思ってなかった」



そんな言葉があちらこちらから飛んでくる。



「話しかけにくかったのかしら?」




私は“私”を溶け込ませて笑う。