華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




少し待っていると。


「侑希さーん!見つけましたっスー!!」



ガーッとバイクで走ってきて、その後部にはきゃっきゃと笑うユズキ。


またその後ろには結都がバイクでついて来た。




…こうやって見ると、桜華の人のバイクって全部似てる。

だいたいが黒を基調としてる。

大きさは様々だけど…


あと、黒い車体には共通したステッカー。

淡い色や濃い色の桜の花びら。

数もいろいろだけど、全部キレイに桜が咲いてる。




様々に改造されてるバイクの中でも、結都のはまた特別。

特にうるさい音がなるわけでもないけど…

早さは郡を抜いてる。




そのバイクから降りる結都を見ていると、目が合った。


綺麗な金色の目が私を捕らえる。


真っすぐ過ぎるほど真っすぐに見てくる人…


私は少し結都が苦手。


何もかも見透かしてしまうような目が…






「侑希さん、柚はここでいいんスか?」

「…ええ。ありがとう。」



私が微笑めば、頬をピンク色に染めた。



私はこうやって“私”をここに溶け込ませる。