「やっと来た!侑希〜っ!!」
いつもの部屋に入ると、楓が抱き着いてくる。
「おまたせ。」
と笑えば、手を引かれてソファに導かれる。
今まで話しをしていたのか、ガラステーブルの上には大きな地図。
所々に赤い丸がある。
わたしと一緒に入ってきた蓮士はぐだーっとソファに身をあずけ、目を閉じた。
「蓮!早く決めようぜ!!!」
それをつつく李玖。
蓮士はめんどくさそうに振り払っていた。
「嘉、この地図は何?」
私が尋ねると。
「これはね、今度の暴走のルートを決めてたんだ。
って言ってもいつもあんまり変わらないんだけどね?」
ニッコリと笑って答えてくれる。
「まぁ今回は侑希ちゃんのお披露目になるかな。」
…お披露目?
なんのつもりだろう…
私はそんなこと頼んでない…
「嫌そうな顔すんなよ!」
バシッと私の肩を叩く李玖。
蓮士はもういいのかしら…?



