「楓、」 名前を呼ばれる声で、目が覚めた。 「蓮…」 目の前には、頬に傷を作った蓮。 どうしたのだろう、その傷は。 「もう日が暮れる。帰ろう。」 くるっと振り返り、保健室を出ようとする。 楓は蓮の腕を掴んだ。 「…どうした?」 蓮は少し驚いている。 「ケガ。ここ座って。」 楓が椅子をひくと、蓮は大人しく座る。 ――――――― チャリン 手当を済ませて、自転車に二人乗りをして帰った。