……楓も、声が出せなかった。
そんなことって、あるんだろうか?
「じゃあ…今からバスケしませんか?」
圭祐が蓮に向かって言った。
蓮は少しめんどくさそうな顔をする。
そして楓のほうを見た。
「時間、いいのか?」
蓮の言葉に楓はこくりと頷いた。
―――――――
「もういい?」
そう言う蓮の足元にはコロコロと転がって止まったボール。
圭祐は口を開けて目を見開いている。
「やっぱヤバいっ!
まじ尊敬するっ!!!!」
意識が飛んだのかと思えば、圭祐はいきなり叫ぶ。
蓮が言った初心者だっていうのは…
嘘だと思う。
それくらい…
少しバスケをかじった程度の楓にも分かるくらい…
蓮は…バスケが上手かった。
あの圭祐が、ボールを奪えなかった。



