華〜ハナ〜Ⅰ【完結】





……楓も、声が出せなかった。



そんなことって、あるんだろうか?




「じゃあ…今からバスケしませんか?」



圭祐が蓮に向かって言った。


蓮は少しめんどくさそうな顔をする。

そして楓のほうを見た。



「時間、いいのか?」


蓮の言葉に楓はこくりと頷いた。






―――――――



「もういい?」


そう言う蓮の足元にはコロコロと転がって止まったボール。


圭祐は口を開けて目を見開いている。



「やっぱヤバいっ!
まじ尊敬するっ!!!!」



意識が飛んだのかと思えば、圭祐はいきなり叫ぶ。





蓮が言った初心者だっていうのは…

嘘だと思う。




それくらい…

少しバスケをかじった程度の楓にも分かるくらい…



蓮は…バスケが上手かった。



あの圭祐が、ボールを奪えなかった。