華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




歩きだすと、蓮が口を開いた。



「悪ぃんだけど、何があっても喋んなよ?
俺がいいって言うまでは。」


「ん?なんで?」


「なんでも。」



そのときの蓮の表情が、始めて見たときと同じ無表情だったから…

楓はなにも言えなかった。








「ねぇ、蓮って何歳?」


楓は、ふと思い付いたことを聞いてみた。



「あ?俺か?12歳。」


「……ぇえ!?じゃあ小6?」


「そうだ。楓は?4年くらい?」




…ムッ


楓が小さいからか、蓮は本気でそう言った。




「6年だもんね!蓮と同じ!!」


「嘘だろ!?」




蓮は驚き、目を見開いていた。


楓は若干拗ねながら、

蓮は「まじか〜」と言いながら。



二人は並んで歩いた。