華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




ジャリッ…



どれくらい経ったのか分からない。


公園に誰かが入ってきた音で楓はハッと目を開けた。




空はもう真っ暗に染まっている。



寝てたのかな…

楓はそう思い、きしむ体を無理矢理起こした。




「…誰だ?」



低い声が楓を震わせた。


威嚇するような、探るような低い声。




「…………。」

「…答えろ。」




楓は口を開けなかった。