楓は一瞬何が起こったのか分からなかった。 でもそれはほんの一瞬で。 顔を伏せているエリカの表情は読み取れなくても 「出てって…出てってよ…」 と小さく小さく言っているのが分かった。 そんなエリカを庇うように近づくゴウ。 バンッ!!! 楓はランドセルを放り投げてマンションから飛び出した。