「さて、楓…って呼んでいいか?
まあ座れよ。俺のメシはうまいぞ。」
俯いたままの楓にゴウの声が聞こえ、楓は顔を上げた。
そこにはニコニコと笑うゴウがいて、楓は頷いてテーブルについた。
「ほら。」
そう言って楓の前に並べられた料理はどれも美味しくて、楓は久しぶりに他人が作った物を食べた。
「…美味しかった、です。」
楓がそう言うとゴウはニカッと笑って「そーか!」と言って楓の頭を撫でた。
楓は、自分を見るゴウの目に懐かしさが浮かんでいることに気付いた。
そしてじっとゴウの顔を見つめた。
切れ長の目に、高い鼻。
少し細めの眉、額には切った跡がある。
薄い唇は浅黒い肌に合う、薄いピンク色だった。
作り物のような綺麗な顔。
こんな人は始めて見た、と楓は思った。



