「あれ?
見たことない子だ。
かわいー顔してるけど…男の子?」
楓は突然現れたこの女の子に戸惑いながら、「男です…」と答えた。
「名前、なんて言うの?
もしかして圭祐と遊んでた!?」
楓はガンガン喋る杏奈に圧倒されながらも
「楓っていいます…。
圭祐とバスケしてました…。」
小さな声で答えた。
「へー!圭祐とバスケ!!
あたしね、圭祐が入ってるクラブチームの…なんだろ?お世話係?」
「杏奈に世話なんてしてもらいたくねー!」
そう言った圭祐にゴツン、とげんこつを落とし、再び楓の方を向いた。
「まぁ、あたしは圭祐のお姉ちゃん!
杏奈だよ!よろしく、楓!!」
ニッコリと笑った杏奈は、
「もう4時半だから…圭祐はクラブ始まるよ!」
と言い、楓は
「俺、帰ります。」
と言って二人に挨拶をして学校を出た。
後ろから、
「また明日な〜楓〜っ!!」
という圭祐の声を聞きながら。



