楓は、小学校に行くことになった。



あれから二ヶ月ほどたった4月のことだった。


三年生になるときに転入生として学校に入ったほうがいろいろと説明しなくてもいいだろうというエリカの計らいだった。





学校に来て、楓は緊張していた。

こんな、同じくらいの歳の子が集まった集団の中に入るのは初めてだったからだ。



始業式が終わると、生徒はゾロゾロとそれぞれの教室に戻った。




楓は担任になるという女の先生に連れられて、三年二組と書かれている教室に着いた。



「後から入って来て下さい。」



と言われ、楓は小さく頷いた。