華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




二人から?

お母さんからだけじゃ、ないの…?



そんなエリカの考えを察してか、花織が口を開いた。




「あたしも…楓に手をあげてしまうんです。
学校でのストレスとか…
そんなので。
楓にとっては、あたしもただの怖い人のはずです。」



切なそうに花織は話した。


楓はエリカの腕を掴み、必死に震えを抑えている。


ずっと俯いたままだ。




「だから、エリカさん。
楓を守って下さい…。」




真っすぐにエリカを見つめる花織の視線はゆるぎないもので、エリカはゆっくりとその言葉に頷いた。




そして、



「どうしてこんなことになったのか…
教えてくれますか?」



ゆっくりと、でもしっかりとした口調でエリカは花織に尋ねた。