二人から?
お母さんからだけじゃ、ないの…?
そんなエリカの考えを察してか、花織が口を開いた。
「あたしも…楓に手をあげてしまうんです。
学校でのストレスとか…
そんなので。
楓にとっては、あたしもただの怖い人のはずです。」
切なそうに花織は話した。
楓はエリカの腕を掴み、必死に震えを抑えている。
ずっと俯いたままだ。
「だから、エリカさん。
楓を守って下さい…。」
真っすぐにエリカを見つめる花織の視線はゆるぎないもので、エリカはゆっくりとその言葉に頷いた。
そして、
「どうしてこんなことになったのか…
教えてくれますか?」
ゆっくりと、でもしっかりとした口調でエリカは花織に尋ねた。



