華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




三人はエリカの車に乗って、近くのファミレスに来た。




「…さて。何を話したらいいんでしょうか。」



ミルクティーを飲みながら落ち着き払って言う楓の姉。


大人っぽい雰囲気が漂っているものの、その顔はまだ幼い女の子のものだった。



そして、カップをおいたその手はカタカタと小さく震えている。




エリカは始めに聞いておくべきことがいくつかあると思っていた。





「あたしは、道成エリカって言います。
あなたのお名前は?」



エリカは最初に名前を聞いた。

そのエリカにくっついて座る楓。




「花織‐カオリ‐といいます。
エリカさん、ですね。」



優しく包み込むようなエリカの声色に安心したのか、しっかりとした口調で花織が答えた。




「花織さん…いや、花織ちゃん…かな?
あなた、いくつなの?」




エリカは尋ねた。


雰囲気はもう二十歳前後にも感じられる花織。


しかしその顔はまだあどけない。




「あたし、12歳です。
楓の、5歳年上です。
エリカさんは?」