三人はエリカの車に乗って、近くのファミレスに来た。
「…さて。何を話したらいいんでしょうか。」
ミルクティーを飲みながら落ち着き払って言う楓の姉。
大人っぽい雰囲気が漂っているものの、その顔はまだ幼い女の子のものだった。
そして、カップをおいたその手はカタカタと小さく震えている。
エリカは始めに聞いておくべきことがいくつかあると思っていた。
「あたしは、道成エリカって言います。
あなたのお名前は?」
エリカは最初に名前を聞いた。
そのエリカにくっついて座る楓。
「花織‐カオリ‐といいます。
エリカさん、ですね。」
優しく包み込むようなエリカの声色に安心したのか、しっかりとした口調で花織が答えた。
「花織さん…いや、花織ちゃん…かな?
あなた、いくつなの?」
エリカは尋ねた。
雰囲気はもう二十歳前後にも感じられる花織。
しかしその顔はまだあどけない。
「あたし、12歳です。
楓の、5歳年上です。
エリカさんは?」



