華〜ハナ〜Ⅰ【完結】






炊きたてのご飯

目玉焼き

豆腐のお味噌汁



それがエリカの作った朝食だった。



楓はそれらをフォークで食べた。

箸を使った事がなかったから。



エリカは何も言わなかった。





ご飯を食べ終わると、エリカが楓の着替えを取りに行った。



「はい。ちょっと大きいかもしれないけど……。」


そい言って差し出されたのは濃いオレンジのパーカーとジーンズ。



楓はそれを上手く着こなした。



「楓ってセンスいいのね。なんでも上手く着れるんだ!」


そう言ってエリカは微笑んだ。



「ちょっと待ってて。あたしも着替えてくる。」



エリカはまた部屋に入り、楓はソファに腰掛けてうつらうつらしていた。