華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




楓は大きな鏡の前に置かれたイスに座らされた。


ブォォ…



ドライヤーで髪を乾かされるのを、楓は気持ちがいいと思った。


そんなことをされた記憶はなかったから。



「ね、名前なんて言うの?
あたしはね〜エリカって言うのよ。」



鏡越しに、エリカが話しかけた。


その目をジッとみる楓。



「……楓」


そして、初めて楓が口を開いた。



「楓か〜。いい名前だね、楓!!」



ニコニコしながら楓の髪を乾かしていくエリカ。


「楓って髪長いけど…女の子、じゃないよね?」


遠慮気味に聞くエリカ。

その言葉に楓は頷いた。



「じゃあ、明日お買い物行こうか。」



エリカはそれだけ言って、それ以上は何も聞かなかった。