華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




外は雨が降ってた。

暗くて、ジメジメしてて

俺はすぐにびしょ濡れになって、雨が傷に染みた。



道を歩く人達は俺を可哀相だっていうような目で見てきた。

そんなとき、一人の女に声をかけられたんだ……。





―――――――――――――
―――――――――
―――――



「君…大丈夫?」



その女は綺麗な髪をくるくると巻き

薄いピンクのコートに身を包んでいた。


化粧は決して派手ではなかったが

どこか人を引き付ける魅力があった。



「すごい怪我じゃない…

ケンカでもしたの?」



幼い楓はふるふると首を振る。

声を出さないのは、さるぐつわをされるのが怖かったからだった。



そんな楓を見て、その女はフッと柔らかい微笑みを見せた。



「手当してあげる。うちへいらっしゃい。」



楓は、知らない人に着いていくなと言われたことはなかった。

だから差し出された手を握り、女がさしていた傘に一緒に入った。