外は雨が降ってた。
暗くて、ジメジメしてて
俺はすぐにびしょ濡れになって、雨が傷に染みた。
道を歩く人達は俺を可哀相だっていうような目で見てきた。
そんなとき、一人の女に声をかけられたんだ……。
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「君…大丈夫?」
その女は綺麗な髪をくるくると巻き
薄いピンクのコートに身を包んでいた。
化粧は決して派手ではなかったが
どこか人を引き付ける魅力があった。
「すごい怪我じゃない…
ケンカでもしたの?」
幼い楓はふるふると首を振る。
声を出さないのは、さるぐつわをされるのが怖かったからだった。
そんな楓を見て、その女はフッと柔らかい微笑みを見せた。
「手当してあげる。うちへいらっしゃい。」
楓は、知らない人に着いていくなと言われたことはなかった。
だから差し出された手を握り、女がさしていた傘に一緒に入った。



