「本当に今、起きたのか?」



結都は怪訝そうに重ねてそう聞いてくる。


なんなんだろう?




私は再び「そうよ。」と答える。



「……………」

「……………」





私と結都は黙ったまま。


私は結都の目を見ていた視線を、窓へと移した。





そんな私に声がかかる。




「さっき……」



そう言って、言葉を濁す。



「さっき、何?」



私は窓を見たままそう言う。




「……いや、」



結都はすごく歯切れが悪い。


もともとそんなに喋るタイプではないんだろう。


なのに何か、言いにくいことを言おうとしている。



だからこんなに歯切れが悪いんだろう。



私はそう思った。