「はぁ……」




盛大なため息が聞こえる。



いやぁ…

なんか悪いわね。




「じゃー俺の貸すから。嘉に連絡しろ。」




そこまでしなくてもいいじゃんねぇ?



でも、蓮士の目が有無を言わせない鋭いものだったから、私は黙って蓮士のケータイを受けとった。





「侑希〜気をつけろよ?襲われんなよ?

危ないときは俺を呼べば飛んでいくからな!」




私が部屋を出るときには、楓が心配そうな声色でそう言ってきた。



だから大丈夫だってば〜




寝ていたユズキも起きて、黙って私を見ている。



多分ユズキには私がどうやって帰るつもりなのか分かってるんだろうな〜










私は、“城”を出て、家へと向かった。