すると目の前には大きな階段が見えてきた。



なんだか王室とかにあるようなの。


なんて言うんだっけ?




よく分からないけど、世界のお金持ちの家に入ったことある私でもそうそう見るもんじゃない。


それこそ王室でさえも今時こんな風にはしてないんじゃないかな。




「侑希、」




不意に名前を呼ばれたと思ったら、蓮士だった。



その蓮士は今、階段の横にある扉のまえにいる。




私がそこへ歩いていくと、蓮士はボタンを押した。何のボタンか分からないけど。



何だろう、と思いながら何も言わないでいると



チン…



と音がした。


何の音?



すると、目の前にあった扉が開いた。