華〜ハナ〜Ⅰ【完結】





1番窓際のベッドは思っていたよりも柔らかく、開けた窓から入ってくる風も心地よかった。



そんなゆったりとした時間のなかで、私がすこしウトウトしていると。





ガラガラ……



部屋の扉が開く音がした。




コツコツコツ……



その足音は確実に私が寝ているベッドへと近付いていた。




シャッ



私が閉めておいたカーテンが開いた。


そして私は足音に反応して研ぎ澄ました神経をその人間に向けた。





「……君はだれ?」



カーテンを開けた男……


そのヒトは私に向かって尋ねた。




「人に聞く前に名乗ったらどう?」

「へぇ。俺にそんなことを言うんだ。」




男はニヤリと笑いながら私が寝ているベッドへと近付く。



「俺のこと知らないの?」




は?



こいつもあの、李玖と同じことを言った。